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福島川内村レポート(その1)。

昨日は、当会の祖・草野心平がこよなく愛した「天山祭」ということで、福島浜通りの川内村に行って参りました。昨秋行われた心平の忌日の集い・「かえる忌」以来、約半年ぶりに訪れました。

圏央道、常磐道と順調に抜け、常磐富岡ICで高速を下りました。やはり昨秋、同じ浜通りの相馬方面に行った際もそうでしたが、富岡以北の国道6号は二輪車通行止めの措置が取られており、状況はあまり変わっていないようです。富岡IC付近も「除染作業中」ののぼりが目立ちました。

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ただし、常磐道は今年の3月に全線開通し、仙台と直結しました。来月の女川光太郎祭には、愛車で参上しようと思っております。

富岡町から山道を抜け、会場の天山文庫へ。昨年もそうでしたが、天気が良くて助かりました。第50回の記念の天山祭ですので、やはり雨天の会場変更では残念です。

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受付が混雑しており、着いてみるとちょうど遠藤村長の挨拶でした。

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心なしか、昨年より人出が多いように感じました。よいことです。

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元復興担当大臣・小渕優子氏の姿も。

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戦前に心平が主宰となって創刊し、たびたび光太郎も寄稿していた雑誌『歴程』同人の皆さんによる心平作品の群読。

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川内小学校6年生による心平作品の朗読。

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郷土芸能も披露されました。

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「被災」を忘れてのなごやかなひとときだったと思います。


天山文庫のある小高い丘の麓には、阿武隈民芸館さんがあります。

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天山祭の50回を記念して、企画展「心平が愛したかわうち」が開催中です。室内撮影禁止ですので画像はご紹介できませんが、村民の皆さんなどが持ち寄った心平の書、書簡などが展示されています。郵便局の看板や、敬老会で配布された心平揮毫の文字を染めた手ぬぐいなど、ほほえましく拝見しました。温かみのある心平独特の文字ならではの魅力に溢れています。

展示の最後には、心平の著書の数々が並んでいますが、その中には「富士山」(昭和18年=1943)、「天」(同26年=1951)など、光太郎が題字を揮毫したものも含まれています。こうした場合にいつも感じるのですが、いろいろ並んでいる中にふっと光太郎の筆跡を見つけると、旧友に遭ったような感覚になります(笑)。

企画展「心平が愛したかわうち」は8月23日(日)まで。また、稿を改めてご紹介しますが、期間中の土日、さらに旧盆前後には、天山文庫のライトアップ「光のフォレストナイト」も開催されます。ぜひ足をお運びください。

明日も川内村レポートを続けます。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 7月12日

昭和7年(1937)の今日、智恵子が遺書とも取れる書簡を、母・センに宛てて書きました。

ながいあいだの病気が暑さにむかつて急にいけなくなつて来ましたので 毎晩睡眠薬をのんでゐます。あまりこれをつゞけますからきつといけなくなるとおもひます。もしもの事がありましたら、この部屋をかたつけみなさんでよいやうにきもの其他をしまつして下さい 大そう長い間のことですからいろいろたまつてしまひました、押入れや地袋、ぬりたんす、柳こり、ねだいのうへのものなどみなしまつをつけて下さい
  皆さんおからだを丈夫にして出来るだけ働き仲よくやつていつて たのしくこゝろをもつてお暮らし下さい 末ながくこの世の希望をすてずに 難儀ななかにも勇気をもつてお暮らしなさい。
  それではこれで
   母上様
   皆さん
   せきさん 修さん 皆さんへよろしく
    七月十二日


15日朝には、智恵子は目覚めませんでした。部屋には睡眠薬アダリンの空の瓶が残され、壁に真新しいキャンバスが立てかけてありました。現存は確認されていませんが、光太郎への愛と感謝、義父・光雲への謝罪の言葉が書かれた遺書もあったそうです。

一命は取り留めたものの、これを機に、智恵子は夢幻界の人となってしまいます。

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