テレビ放映情報です。
NHK BSプレミアム 2018年5月21日(月) 12時00分~12時30分
千駄木は山の手と下町、ふたつの顔を持つ。かつて財閥当主が住んだ、ため息が出るほど美しい屋敷。現在は地元ボランティアによって守られている。元従軍看護婦たちが使っていた蔵。今は映像や音声など、地元住民の“記憶”を保管するために使われていた。その蔵で、千駄木の和菓子屋が作った貴重なアニメを拝見。千駄木には“本の街”という顔も。月に1回ほどライブを開く古書店や、「製本カフェ」というユニークな店などを紹介。
【出演】篠原ともえ 【語り】モト冬樹
先週、5月14日(月)夜に本放送がありまして、再放送です。
光太郎をはじめ、多くの文豪が暮らした街という紹介をして下さいました。
もっとも、「光太郎をはじめ」ではなく、「夏目漱石、森鷗外をはじめ」で、光太郎はその他大勢扱いでしたが(笑)。
画面片隅には、智恵子がらみの「『青鞜』発祥の地」も。
ナビゲーターは、篠原ともえさん。
さらに番組前半では、伝説の地域雑誌『谷中・根津・千駄木』(通称『谷根千』)を作られていた山範子さんもご出演。同誌では繰り返し光太郎、光雲、智恵子を取り上げて下さり、当方、バックナンバー10冊ほど所蔵しております。
また、山さんの現在の活動拠点である「記憶の蔵」。『谷根千』編集時に集めた資料などが保管されており、現在、一般公開に向けて準備中だそうです。公開されたら真っ先に行ってみようと思いました。
その他、団子坂を下りて下町エリアに入ると、千駄木は「職人の街」でもあるということで、女性の職人さんが活躍する左官屋さん、不思議な取り合わせのパン屋さん兼花屋さんなどが登場、最後に「本の街」ということで、音楽ライブを営業中に開催する古書店さん、特徴的な配架をなさっている新刊書店さん、クラウドファンディングで製本機を購入したカフェさんなども紹介されました。
まさにさまざまな文化の部分で「ディープ」。篠原さんも感心しきりでした。
ぜひ御覧下さい。
【折々のことば・光太郎】
笑うなら笑いが天の美ろくであるように、泣くなら涙が夜明けの露であるようにと切に思う。
散文「私のきいた番組」より 昭和30年(1955) 光太郎73歳
ラジオ放送に関する評論です。出演者の声調や、ラジオでの詩の朗読など、多方面に話題が及びます。そして番組の中で、「むやみと卑屈に笑う人が多いのは病的なものを感じさせる」、「世にいう豪傑笑いというものも多く心の強さをあらわさないで心の空虚さを示す」、「われわれは小泉八雲もいつた通り少し不可解に笑いすぎる」などといった部分の後に出て来るフレーズです。
現今の、特にバラエティー系のテレビ番組がまさにそうですね。ただ、BS放送等の充実で、「TOKYOディープ!」のような落ち着いた番組も増え、ありがたいところではあります。視聴率は取れないのでしょうが、こうした良質な番組が絶えることの無いようにしていただきたいものです。