横浜伊勢佐木町ににあるお三の宮日枝神社さんのお祭りです。たくさんの神輿が出る中で、光太郎の父・高村光雲の手になる彫刻が施された「火伏神輿」も出ます。大正天皇即位記念に製作され、関東大震災と、横浜大空襲の2回の火難をくぐり抜けたということで、「火伏」の名が冠されています。
昨年は滋賀県甲賀市のMIHO MUSEUMさんで開催された企画展「かざり -信仰と祭りのエネルギー」に出品された後、本格的な修復に入ったため、この時期の例大祭には出ませんでした。その後、11月には修復が終わり、イセザキ・モールさんでお披露目されました。
というわけで、今年は2年ぶりに火伏神輿の巡幸があります。
期 日 : 2017年9月15日(金)~17日(日)
会 場 : イセザキ・モール 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町1・2丁目
日 程 :
9月15日(金) 13:30~ 火伏神輿行列
雅楽の生演奏を先導に、白装束の担ぎ手約30人が厳かに行列します。高村光雲作の神輿。関東大震災・横浜大空襲と、2度の苦難を乗り越えたことから、誰呼ぶともなく、「火伏(ひぶせ)の神輿」との名が付き、災難よけの神輿として崇められています。
16日(土) 13:00~ 和太鼓演奏 17:00~19:00 千貫神輿奉安
社宝大神輿は千貫神輿とも呼ばれ、その大きさ、巧緻さ、荘重さ等、横浜随一の大神輿です。以前は、3日にわたり飾り立てた黒牛に引かせていましたが、現在は小型トレーラーで牽引しています。
猿田彦神、祓い神職により先導され、氏子・崇敬者と共に丸一日かけて氏子町内を御巡行致します。
猿田彦神、祓い神職により先導され、氏子・崇敬者と共に丸一日かけて氏子町内を御巡行致します。
17日(日) 12:00~ 氏子町内神輿連合渡御 13:00~ 和太鼓演奏
奇数年毎の本祭りでは、神社からイセザキモールへと40基にも及ぶ大小の町内神輿が威勢良く練り歩き、大勢の祭り好き、神輿好きが集まります。
会期中、火伏神輿と同時期の、やは
り光雲作である獅子頭も、イセザキ・モール内有隣堂書店さんの前に並びます。
当方、平成26年(2014)に拝見に伺いましたが、火伏神輿、獅子頭ともに、見事な作でした。
ぜひ足をお運びください。
【折々のことば・光太郎】
リンゴばたけに雨ふりて 銀のみどりのけむる時 リンゴたわわに枝おもく 沈々として紅きかな
詩「(リンゴばたけに)」全文
昭和22年(1947) 光太郎65歳
きちんと題名を付けて原稿用紙に書かれたものでなく、まずは手帖に記し、のち、画仙紙に揮毫したものです。
リンゴの生産。青森、長野ほどではありませんが、それに次いで山形と並び岩手でも盛んです。光太郎が蟄居していた旧太田村近辺にも、リンゴ畑が広がっています。
光太郎、リンゴは彫刻のモチーフにはならないと言っていましたが、食べる方では非常に好んだようです。