日本絵手紙協会さん発行の雑誌『月刊絵手紙』の今月号です。これまでもたびたび光太郎智恵子を取り上げてくださっていますが、今号も「すべては「詩魂」ありてこそ 高村光太郎の書」という題で、10ページの特集を組んでくださっています。
文章は同会主宰の小池邦夫氏。郵研社さん刊行の『小池邦夫絵手紙講演集in忍野』からの転載です。「書とは人間最後の芸術――高村光太郎」と題し、光太郎の書を語られています。
花巻高村光太郎記念館さんのご協力で、同館に所蔵・展示されている光太郎の書、スナップ写真、遺品等の画像がふんだんに使われています。
一般書店での販売は行っておらず、同会サイトからの注文となります。税込み822円+送料100円。お手頃価格です。
完売のものを除き、バックナンバーも入手可能です。光太郎智恵子に関する号は以下の通り。
No.81 2002年9月号 高村智恵子紙絵
No.103 2004年7月号 武者小路実篤/高村光太郎
No.118 2005年10月号 高村光太郎の絶筆
No.142 2007年10月号 高村光太郎の書
No.174 2010年6月号 李朝の木偶・明治の書・光太郎と智恵子・冬青・水上勉
No.103 2004年7月号 武者小路実篤/高村光太郎
No.118 2005年10月号 高村光太郎の絶筆
No.142 2007年10月号 高村光太郎の書
No.174 2010年6月号 李朝の木偶・明治の書・光太郎と智恵子・冬青・水上勉
また、来月号から、「高村光太郎のことば」という連載が始まるそうで、早速年間購読の手続きをいたしました。ありがたいかぎりです。
皆様もぜひお買い求めください。
【折々のことば・光太郎】
つきあたると坂になるから、 あの上から又下町の灯を見て来ようとつい思ふ。 平和な間にこそ可憐な姿は見て置かうと。
詩「平和時代」より 昭和2年(1927) 光太郎45歳
「坂」は、住居兼アトリエのあった本郷区駒込林町(現・文京区千駄木)の団子坂です。約18年後には戦火に包まれ、アトリエや、坂の上にあって光太郎もたびたび訪れた森鷗外の旧宅「観潮楼」なども灰燼に帰しました。そしてそこから見えた「下町」一帯も。
明日は憲法記念日。「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とする第9条があるにもかかわらず、緊張が高まっています。真逆のことを考えている国が近くにあったり、我が国でもこの理念をなし崩しにしようとする輩が跳梁跋扈していたり……。
「平和な間にこそ可憐な姿は見て置かう」と考えるような世の中はごめんですね。